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ミラノから、贈りもの。

曇り空が微笑みに変わる瞬間の、心の動きに耳をあててみますと、深い深呼吸の音が聞こえてきます。窓から柔らかい風が入ってくる瞬間とよく似ています。

とても小さな音ですが、その度に胸の奥に刻むことを大切にしてゆきたいと思います。

目に映るもの、聞こえてくる音や香りとともに。



あっという間に1月も終わりを告げようとしていますが、寒い毎日を如何お過ごしでしょうか。

数ヶ月前はあちらこちらと旅の多い日々でしたが、近頃は変わらず大好きなミラノで静かに過ごしております。


ミラノはとても小さな町。石畳の道を古い古いレトロなトラム(これまた小さなサイズ)がトコトコと通り過ぎるそばを、寒い冬でも元気にジェラートを頬張るおじさまと、教会の希望の鐘の音が聞こえてくる景色は、ミラノの時の流れそのもの。

心の深いところへ、微笑み、という贈り物を届けてくれます。


そうは言ってもミラノは商業の町、程よく忙しそうな足取りのサラリーマン風イタリア人が真面目に(?)出勤している様子は良いスパイス、

南イタリアの典型的なイタリア人風(とにかく陽気)ともほんの少し異なる緊張感が心地良いのです。

観光だけなら数日であっというまに回れてしまいそうなほど、こぢんまりとしたミラノですが、住んでみて、知れば知るほどに様々な顔を持つミラノの魅力に相変わらず惹かれております。



さてそんなミラノで、2015年には万博が開かれる予定ですね。ふふ。とっても楽しみ!

きちんと2015年に間に合うのかという若干の不安もあるという話を聞きましたが(笑)、なんとかどうにか形にしてしまうのが、イタリア人の生き方のセンス、多分大丈夫(笑)。


・・・というのは、スタジオでのお仕事のお手伝いを通して私が感じるイタリア人のイメージです。

とても重要なコンペティションで、時間的に切羽詰った状態であっても、心の状態は全く切羽詰っていませんでした。

真面目でも不真面目でもなく、頑張りすぎるわけでも、意識して気楽になろうとすることもなく、従来のマニュアルは参考程度に、直感で目の前の現実に対処しているように感じます(私の周りのイタリア人のお話)。


仕事に対しては、あまり計画性が無く、ましてや報・連・相などのようなマニュアルが全く無いわりに、団体力がとても強いように思います。

時間的な縛りよりも人情を最優先させて動いているので、計画通り進まなくとも深刻なムードにならないところ、尊敬します。


随分と良いところばかり記しておりますが、あれ、おかしいな、と思うことも当然多々あります。

良い面にせよ悪い面にせよ、私がイタリア人をもっと知りたいということに変わりは無いので、彼らと過ごす残りの時間がとても大切ですね。



・・・もっとも、私がイタリアを好きなのは、イタリア料理が好きという、食べることが一番の理由ですが・・・。笑。















ダヴィンチ先生像が見守る、古いものと新しいものとが絶妙なバランスで混在している小さな町。

この異国の地で美味しいジェラートを頂きますと、曇り空の下でも微笑むことが出来ますよ。



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